全てを闇に捧げさせてしまったウォーレンは”愛を守れるのか”
BLOODY SHADOWSがブラックホールすぎて、これから何度映画館に足を運ぶことになるのか、今から検討もつきません。三回しか観に行けてないのですが、ツイッターで流れてくる感想や考察を見ていると、もういてもたってもいられなくて。私はこの素晴らしい映画の何をどう書き起こすことが出来るのだろうか、と悩んで悩んで結局まとまらなそうですが、投げておきます。
以下ネタバレ注意。
というかタイトルから既にネタバレだし、このブログ大体ネタバレだった
主題歌BLOODY SHADOWSの歌詞をやっと読んで、空耳していたところが多々あったことに気づいた。
1番衝撃を受けたのが、間奏開けの聖川パート、
終わらないDark
私これDarkがなんて言っているのか分からなくて、LOVEかな?とエンドロールを見ながら思ってた。ところがどっこい、Dark・・・。マジか・・・。
主題歌BLOODY SHADOWSは、本当に凄い。この1曲で映画本編の流れをなぞっていく。
流れというのは、主人公マサフェリーが、人間からヴァンパイアに堕ちるまでの起承転結だ。
この間奏の間に、マサフェリーはヴァンパイアになっている。
1番が起、2番が承、間奏とCメロが転、ラスサビから最後までが結。
私が注目したいのは、Cメロの神宮寺パート、
眩いCross
ここ、YABAI。英語くそ弱いので私の都合の良い解釈ですが、引っかかったCross。
Crossの意味。 [http://cross:title]
[名詞]
- (昔,罪人の死刑に用いた)十字架,はりつけ台.
- (誓言・祝福などの時空中または額・胸などの上で切る)十字の×印
- 《無学者の署名の代用》.
- 十字標,十字塔 《墓碑に,または町の中心・市場などの標識に用いた》.
- キリストの受難,贖罪(しよくざい).
- 試練,受難,苦難.
- 苦労(の種), 不幸; 障害
- 〔動植物の〕異種交配; 雑種
- 折衷,中間物,どっちつかずのもの.
[動詞]
- 〈道路・砂漠などを〉横切る,〈川・橋を〉渡る.
- 〈考えが〉〈心に〉浮かぶ; 〈笑いなどが〉〈人の顔を〉よぎる.
- 〈…を〉交差させる,組み合わせる.
- 〈互いに〉交差する.
- 〈手紙・使者などが〉(途中で)〈…と〉行き違う.
- 〈計画・願望などに〉逆らう.
- 〈動植物を〉〔…と〕交配する; 雑種にする.
- 〈人を〉裏切る; だます.
使い方がたくさんあるCrossという語だが、ここでの意味だろうものを並べてみた。
ウォーレンにとっての眩いCrossとは、マサフェリーの選んだそれ。
アイレスを殺して自身もあとを追い、親友と愛する女性は無事に結ばれめでたしめでたし、そんな結末を望んだウォーレン。ウォーレン、アイレス、そしてマサフェリーと彼女、村、みんなが幸せになる未来はこの世界には無い、分かった上でウォーレンにとっての最善の道は、自分たちが身を引くことだった。
しかし、ウォーレンの選択を否定するマサフェリー。
愛する妻と村のために十字架ーはりつけ台へ進むマサフェリーを眩いな、と見つめるしか出来ないウォーレン。
妻への愛の誓言、ヴァンパイアになることの誓言をまっすぐするマサフェリーを眩いな、と見つめるしか出来ないウォーレン。
村長の息子という地位と肩書きを捨て無と署名するマサフェリーを眩いな、と見つめるしか出来ないウォーレン。
受難、贖罪、試練、苦難、障害、不幸・・・。ウォーレンと違い穢れを知らない美しい眩いマサフェリーがこれらを頭からかぶってドロドロになる。でもマサフェリーの強い意志によって、マサフェリーの眩さは失われないどころか、かぶって更に際立つのだ。それを知っていて、あぁ眩いな、と見つめるしか出来ないウォーレン。
人間とヴァンパイアの異種交配していく過程を、堕ちていく姿すら眩いな、と見つめるしか出来ないウォーレン。
人間なのか化け物なのか、生きているのか死んでいるのか、あの世でもこの世でもない、どっちつかずの影になろうとしているのに、その姿すら眩いな、と見つめることしか出来ないウォーレン。
……
ウォーレンは結局、マサフェリーの決意を前に、覆す程の気持ちが無かった。
だって、ウォーレンはマサフェリーと娘をとても大切に思っているけれど、天秤に乗せると均等になるように、アイレスのこともとても大切に思っているし、アイレス側の天秤には自覚している自分の永い命も乗っているのだ。アイレスの力を、決定を前に、いつまでも抗うほどの気持ちは無い。
ウォーレンは、物事を冷静に見ることが出来る敏い人。それ故に、このCrossを眩いと思うしか出来なかったのだと、そう思う。
続く歌詞は、
切なき深淵
あぁ、堕ちるまであとほんの一歩。
妻や村、家族へのたくさんの想いと現世の自分が走馬灯のように浮かび、よぎり、それでも。妻の前を、ウォーレンの前を横切って深淵に立つマサフェリー。
どこで行き違ってしまったのだろう。
いや、娘もマサフェリーも眩すぎたから、交われたのだと錯覚してしまっただけで、初めからウォーレンは騙していたようなものだった。
マサフェリーを闇に捧げさせてしまったウォーレン。(まぁマサフェリーは、自身で決めた我儘だから、すべてがウォーレンのせい ではないと、ウォーレンの気持ちを知ったら言うと思うが)
物語の先のウォーレンは、今度こそ愛ーマサフェリーをアイレスをー守れるのか。
どうしてもそうやってウォーレンのことを考えてしまう。
全体の感想がどうにも書けなくて情けない。
みなさんの感想や考察を読んで、さらに映画館に通い詰めたいと思います。
結局何が言いたいんだよ!な文章ですいません。
ブラシャ最高~!!って言いたいんです。
みつき